主張と見解

【談話】実効ある抜本的な女性施策いまこそ
―安倍政権の「成長戦略」の女性「活用」策について―

新日本婦人の会 会長 笠井貴美代

 安倍首相は 4 月 19 日、「成長戦略」の中核に「女性」を位置づけるとして、「5年間で待機児ゼロ」「女性管理職の登用」「3年間の育児休業」などを打ち出しました。高まる女性の願いにこたえるかのようなスピーチの美辞麗句のなかに、見過ごせない重大な問題が含まれています。

待機児童解消加速化プランでは、今後 2 年間で保育所定員を 20 万人分、その後 3 年間でさらに 20 万人分増やし、5 年後に「待機児ゼロ」をめざすとしています。しかしプランには、保護者がつよく求める認可保育所増設の方針はまったくなく、詰め込みによる定員増、2015 年から始まる子ども・子育て新システムの先取りとして民間の小規模保育や企業内保育、認可外保育所への支援ばかりです。しかも財源は消費税増税分をあてるというものです。

安倍首相は「役員に一人は女性の登用を」「自主的に 3 年育休の推進を」と経済 3 団体に要請したと胸を張ります。しかし、管理職への登用がすすまないのは、女性を安上がりの非正規・補助労働とし、法的拘束力のあるポジティブ・アクション(積極的改善措置)を実施してこなかったためです。3 年育休には、賃金保障もなく生活できない、キャリアが中断する、非正規は対象にならないなど批判があがっています。「3 年間抱っこし放題での職場復帰支援」との表現に「3 歳までは母親が育児すべき」という古い家族観が見えます。

安倍内閣が当面の経済や選挙対策の「人気取り」として女性を利用することは許されません。私たちは、世界ジェンダー格差 101 位という日本の遅れを克服する、女性差別撤廃条約にもとづく真剣なとりくみを求めます。男女とも人間らしく仕事と子育てが両立できるよう、大幅な賃上げや正規雇用化・均等待遇、時短、公的保育の拡充、手厚い家族政策、女性管理職の登用、消費税増税・社会保障改悪の中止など、くらしの不安解消と真のジェンダー平等のための抜本的な施策をつよく求めます。