主張と見解

原子力規制委員会は、新たな「安全神話」で九電川内原発の再稼働にお墨付きを与え る「審査書案」を撤回し、新規制基準を見直すよう求めます


新日本婦人の会中央本部

1、パブリックコメントの公募にあたり、募集する意見を「科学的・技術的なご意見」とあるのは、国
民なら誰もが意見を表明することが保障されるべきなのに、その機会を狭めるものです。この
ような公募の仕方をおこなわないよう強く要望します。

2、「避難計画」が、規制委員会の審査の対象になっていないことは重大な問題です。福島第一原発
事故の教訓がまったくいかされていません。鹿児島県知事は、「再稼働への地元同意は県知事
と県議会、薩摩川内市長と市議会で十分」と言い、「体の不自由な要援護者の『避難計画』は30
キロ圏は現実的でなく、10キロ圏ぐらいまでつくっておけばいい」と言明。「避難」は乗用車を前
提とし、避難経路も地震による崖崩れや津波で実際には使えないと想定されるなど、自治体ま
かせの「避難計画」ではなく、規制委員会が責任をもって検証し、対応すべきです。

3、川内原発は周辺の火山の巨大噴火リスクを抱えており、専門家による科学的審査が行なわれる
べきです。九州電力は、原子力発電所の「運用期間中におけるVE17以上の噴火の活動可能性は
十分低い」とし、カルデラを監視対象にして、噴火の可能性がある場合には、「原子炉の運転停
止、燃料体等の搬出等を実施する」としています。これを規制委員会が「火山活動の兆候を把握
した場合の対処方針を示している」と評価しています。しかし、巨大噴火の可能性が十分低いと
いう根拠はなく、噴火の予知も不可能であり、原発立地そのものが間違いです。

4、九州電力が川内原発周辺での地震、津波の高さを想定していますが、これを上回る地震、津波が
来ないという科学的根拠に基づく想定は不可能です。地震国日本で、安全な原発はありえませ
ん。廃炉への技術の確立を含め、原発ゼロに向けた具体的な計画を示すべきです。

5、「審査書案」は触れていませんが、川内原発の敷地内には、福島第一原発の4分の3、1日当たり
300立方メートルの地下水が流入しています。同様の事故が起きた場合、福島第一原発の半分ほ
どの敷地で、増え続ける汚染水の管理などできるのか疑問です。福島の地下水対策は現在でも
対応できていません。地下水対策を新規制基準に盛り込むべきです。

6、規制委員会は「審査書案」を撤回し、「避難計画」をはじめ新規制基準に欠落している問題をいろ
いろな角度から見直し、安全の確保に責任をもった審査を再度おこなうよう強く要望します。

7、新たな「安全神話」をつくりだし、川内原発の再稼働にお墨付きを与える「当該申請は、…適合し
ているものと認められる」との結論は、取り消してください、