主張と見解

【パブリックコメント】「新たな機能性表示制度に係る食品表示基準(案)について」の意見


新日本婦人の会中央本部

「新たな機能性表示制度に係る食品表示基準(案)について」

1、健康食品業界の利益拡大のための「食品の新たな機能性表示制度」で、導入ありきの進め方は問題です
健康食品にはすでに国の審査・認可のもと、食品やその成分が体や健康にどう働くか、機能性表示できる「特定保健用食品」のほか、ビタミンやミネラルを一定量含み表示例が規定された「栄養機能食品」があります。しかし消費者はこれらの制度の理解も十分でなく、現行制度の問題を置き去りにしたまま、新たな機能性表示制度を導入することは、消費者に混乱をもたらし新たな被害を生み出すことになります。
新制度は消費者からの要望ではありません。「特定保健用食品は許可を受けるための費用や時間等がかかり企業には活用しにくい」など規制改革会議がアベノミクスの成長戦略の一環として提案、日本の健康食品市場へ参入拡大を目指す米国の要求にも応えるものです。事業者の利益拡大のためであり、2015年3月末までに実施をめざす、導入ありきの進め方も問題があり、反対です。

2、安全性、機能性への評価は企業任せで、消費者の被害を未然に防ぐ実効性ある国の対策がありません。規制緩和ではなく強化を望みます
健康食品を利用したために、かえって健康を害することがあってはなりません。しかし健康食品に、1)有害物質や医薬成分が含まれていた。2)有害物質は含まないがアレルギーなど特定の人に有害的に作用する。3)抽出・濃縮・乾燥等により特定成分が大量摂取される。4)食生活の改善を錯覚させる。5)「治療効果」の過信によって医療を軽視させる。6)非食品の食品化、など問題があり、健康被害や財産被害など消費者トラブルは年々増大しています。なかでも錠剤、カプセル状の製品については、成分の過剰摂取による危険のほか、これらの製品で実施された安全性に関する検証データがほとんどないことは問題です。
新制度案はこのような問題を棚上げにしたまま、「企業が科学的根拠(安全性・有効性)を評価したうえで、企業の責任において機能性を表示」することができるとし、有効性の評価や安全性の確認等への国の関与をなくすものとなっていて、消費者被害がいっそう増大することは明らかです。必要なのは、規制緩和の新たな制度導入ではなく規制強化です。新制度を導入するのであれば、容器包装の目立つところに大きく「国による機能、安全性に関する評価を受けたものではない」「疾病の治療や予防を目的とはしていない」や、「病気の人、未成年者、妊産婦や授乳婦は服用禁止」と表示することを求めます。また広告・宣伝にも機能性表示と同等の扱いで上記文言を表示するよう求めます。

3、国は安全の確保を最優先し、被害防止を徹底するべきです
新たな機能性表示制度のもとで「国による評価を受けたものではない」との表示がされていても、同製品による被害が発生した場合、消費者の責任としてはならず、また国はその責任を免れるものではありません。制度案では仮に健康被害が発生しても、企業に行政への迅速な報告を求めておらず、情報が行政に届く仕組みが不十分です。被害情報は企業内にとどめず、迅速に行政に報告するよう規定し、健康被害を拡大させないようにすべきです。
行政は企業を指導・監督し、安全性の確保や、被害を未然に防ぐことが求められています。国民・消費者の健康より企業のもうけを重視する姿勢は極めて重大です。健康の維持・増進のためには「適度に動き、寝る、食べる」をバランスよく実践することが基礎であり、基本です。根本的な生活習慣の見直しを促進していくことが重要であり、「健康食品」でなんとかできると期待させるような表示制度を導入すべきではありません。

【パブリックコメント】「新たな機能性表示制度に係る食品表示基準(案)について」の意見