主張と見解

東日本大震災・福島原発事故から5年、国の責任で被災者の生活と生業の復興・再生へ緊急支援を

新日本婦人の会会長 笠井貴美代

東日本大震災と東電福島第一原発事故から5年、被災地の懸命な努力にもかかわらず、今だに17万4000人が生活と生業再建の見通しがもてない避難生活を余儀なくされ、震災関連死は3407人と増え続けています。復興の遅れによる避難生活の長期化、被災者の心身の健康の悪化がいのちを奪っています。住まい、生業、地域コミュニティーづくりを促進させ、健康な生活を送れるよう、被災者一人ひとりの声に真剣に耳を傾け、政府の責任で生活再建優先の緊急支援策をおこなうよう強く要望します。政府が進めようとしている消費税増税や社会保障切り捨て、TPP参加、「戦争する国づくり」への強行などは復興を大きく妨げるものです。

原発事故の原因究明も進まず、漏れ出す放射能汚染水対策も深刻さを増しています。このような中で原発事故がなかったかのように住民合意がないままの避難指示区域の解除など、福島を切り捨てることは絶対に許されません。福島原発事故を教訓に、原発ゼロを決断し、再稼働や新設、海外輸出などは中止するべきです。

予想される大地震や火山噴火、大雨・土砂・大雪への対策も急がれています。

以下、強く要請します。

1、2016年度以降の5年間を「復興・創生期間」とし、復興事業費の一部を被災自治体に負わせることを決めた閣議決定を撤回すること。地元負担なしの復興財源の確保と自治体が自由に使える財源を増やすこと
1、被災者生活再建支援法の支度額を500万円に引き上げ、支給対象は半壊世帯も含むなど拡充すること。被害戸数にかかわらず適用できるようにすること。二重ローン解消へ収入基準を見直し、引き上げること
1、被災地復興の新たな町づくりは、高齢者・社会的弱者含め住民の声を反映すること
1、仮設住宅の抜本的改善、災害公営住宅建設の加速と入居資格要件の緩和などで希望者全員が入居できるよう増設、家賃補助の継続をすること。みなし仮設の一方的な追い出しはおこなわないこと
1、被災者の医療費、介護保険等の一部負担金(利用者負担)の免除継続へ国は財政支援をおこなうこと
1、生業の再建を希望する企業や事業者に対するグループ補助等の支援策を継続・拡大し、個人事業者も含めた支援等に拡充すること
1、県内外含め、すべての避難者の住まい、仕事、子育て・介護、心身の不調など一人ひとりの事情にあったきめこまかな支援をおこなうこと
1、正規教員による1000人の教育復興加配を継続・拡充、スクールカウンセラーの配置を10年単位で継続すること。被災児童の心のケアのため養護教諭の複数配置、スクールカウンセラーの全校常時配置、中学校区単位にスクールソーシャルワーカーを配置すること
1、被災自治体の職員採用、派遣職員の受け入れにかかる経費の全額を国が負担する震災復興特別交付税による措置を、復興が完了するまで継続し、拡充すること
1、JR東日本の責任で大船渡線・気仙沼線の鉄路復旧早期実現のため、国が指導・助言をおこなうこと
1、福島の子どもたちの健康を守るため、健康診査を継続し、18歳以下の医療費無料化を国の制度でおこなうこと
1、「2017年3月までに避難指示解除」の閣議決定は撤回し、社会インフラや医療環境の整備、住民合意などがないままの解除は行わないこと。一方的な精神的賠償や営業損害賠償、生活支援の打ち切りはおこなわないこと
1、避難解除された区域の住民の声を聞き、生活支援に力を尽くすこと
1、住民の生活圏から20メートル以内と、人が日常に立ち入る場所以外の森林も、住民の意見を聞き除染すること。除染土を入れたビニール袋の破れなど急ぎ手当てすること。
1、東電福島第一原発廃炉のため全力をつくすこと。また、除染や原発労働者の健康管理、安全管理を徹底し、過酷な労働にふさわしい賃金を補償すること
1、原発事故が起きなければ発生しなかった被害、損害はすべて賠償するよう東京電力に指導すること
1、放射性廃棄物の中間貯蔵と最終処分は国が全責任を負うこと
1、モニタリングポストの撤去は行わず、必要な場所には新設すること
1、東電福島第二原発をはじめ、原発ゼロを決断し、全基の廃炉にとりかかること。エネルギー基本計画の撤回、原発再稼動や新増設、海外輸出の中止、再生可能エネルギーへの転換をおこなうこと
1、防災対策は「国土強靭化」の名による大型公共事業でなく、住民本位で予防と減災へ重点シフトすること
1、被災地の復興・復旧を大きく妨げる消費税10%増税とTPP参加は中止すること
1、震災・防災対策協議会などへの女性の参加を保障し、女性の意見を十分反映すること

東日本大震災・福島原発事故から5年、国の責任で被災者の生活と生業の復興・再生へ緊急支援を