主張と見解

【談話】公的保育制度をこわす「新制度」案に反対し、今こそ緊急の保育所整備を

新日本婦人の会事務局長 米山淳子

「新たな保育の仕組み」を検討していた厚生労働相の諮問機関「社会保障審議会少子化対策特別部会」は、24日、「新制度」案をまとめました。この制度は、国と自治体の保育の実施責任をなくし、民間企業の参入促進や、保護者が直接保育所に申し込む方式に変えるなど、公的保育制度を根本からこわすものです。今後、議論を重ね、2010年度か11年度の通常国会に児童福祉法「改正」案を提出し、2013年度から新制度への移行を目指しているといわれています。
マスメディアはいっせいに、「保育園、親が自由選択」(東京新聞)、「子育て支援へ使いやすく」(日経新聞)など、「新制度」案をもちあげていますが、とんでもありません。保育所との直接契約となれば、親は自分で保育所を探すことになり、保育料の支払いが困難な家庭などは入所を拒否されるおそれもあります。しかも保育所の整備・運営も民間企業を含め個々の保育所にまかせるというのですから、保育料の負担増や保育の質も「お金次第」と、貧困と格差を子どもにまでもちこむことにもなりかねません。「新制度」の財源確保に消費税増税を前提にしていることも見過ごせません。
今でさえ、保育所への入所を希望しても入れない待機児童は約2万人にのぼり、雇用の急速な悪化で、さらに入所希望が急増しています。今、緊急にもとめられるのは現行の制度をこわすことではなく、保育予算を大幅にふやし、希望する人がすぐに入所できるよう公的責任を果たすことです。
新日本婦人の会は、創立いらい「ポストの数ほど保育所を」を合言葉に、女性の働く権利、子どもが豊かに成長する権利を守れと、保育所増設など公的保育制度拡充の運動を積み上げてきました。今こそ広範な女性・国民とともに力をあわせて制度改悪をはねかえし、「安心して子どもを預けられる保育所をすぐにふやしてほしい」という切実な願いを実現するために、大きく運動をひろげていきましょう。

(新婦人しんぶん2009年3月5日号掲載)