主張と見解

【談話】「認定こども園」法案を抜本的に見直し、どの子にも豊かな教育・保育の保障を国・自治体の責任で

就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律案」(以下、「認定こども園」法案)が今国会に提出されています。

「認定こども園」は、親の就労にかかわりなく、幼稚園でも保育所でも、ゼロ歳児から就学前の子どもを対象に教育・保育をおこなうことを可能にする制度です。
幼い子どもがいる家庭にとって、公的な施設に子どもを預けられることは、大変うれしいことです。しかし今回の「認定こども園」がそれにふさわしい施設であるかといえば、大きな懸念をもたざるを得ません。

保育所と幼稚園では設備や人員配置の基準で大きな違いがあります。現行の保育所では義務づけられている調理室が、総合施設モデル事業評価委員会「中間まとめ」では、「調理室設置が望ましい」、現行の保育所では実施され、幼稚園にはない、ゼロから2歳の人員配置は「保育所と同様であることが望ましい」とあります。「望ましい」とは基準以下でもいいことであり、これまで確保されてきた保育水準が引き下げられる懸念をもちます。また、入所に関しては、「直接契約」が基本で、入所選考も保育設定も施設がおこない、保育料も自由設定方式に変えられます。入所拒否や保育料の値上げにもつながりかねません。

これらは、憲法・児童福祉法にもとづいた国と自治体が責任を負う公的保育制度をこわす道をひらくことになり、また、子どもの権利条約第3条「子どもの最善の利益」に照らしても、人格の基礎をつくる大切な乳幼児期の成長・発達の保障という点で重大な問題です。保護者や保育所の関係者からも、「子どものためになるの?」「教育・保育水準の切り下げではなく向上を!」の声があがっています。

「認定こども園」法案の審議にあたり、10月1日からの施行を大前提とせず、いまある幼稚園・保育園のいっそうの充実とどの子にもゆたかな教育・保育の保障が実現できるよう、慎重な審議と法案の抜本的な見直しを求めます。

2006年4月6日
新日本婦人の会副会長 小松久子