2019年10月17日 SDGs

第64回国連女性の地位委員会への声明

新日本婦人の会は10月17日、CSW64にあたり、国連NGOとして、以下の声明を提出しました。

 

第64回国連女性の地位委員会への声明

20191017

                                  新日本婦人の会

 

新日本婦人の会(新婦人)は1962年に創立、全国で約13万人の会員が核兵器廃絶、女性・子どもの権利、平和のための世界の女性との連帯を目的に掲げ活動しています。

 

ジェンダー平等社会いまこそ

 第4回世界女性会議(北京)から25年、ジェンダー平等で多様性を認め合う社会の実現は、各地の女性たちの運動、人権意識の高まりのなかで国際合意となり、世界の大きな流れとなっています。 

 日本でも今、性暴力やセクシュアル・ハラスメント、大学入試差別など、当事者や女性たちが人間の尊厳をかけて立ちあがり、ジェンダー平等を大きな社会問題にしています。20197月、政治分野の男女共同参画推進法ができて初の参議院選挙では、女性候補者擁立や選択的夫婦別姓制度、LGBT(性的少数者)の法的権利が争点の一つとなり、各政党の対応をメディアも報道するようになりました。

 日本は、ジェンダー平等度で149カ国中110位(18年)と国際的な立ち遅れが際立っています。男性の52.7%18年)という低賃金と連動する低年金による老後の不安、家庭責任や自己責任とされる子育てや介護の負担が女性にのしかかり、与党の議員・政治家らによるセクシュアル・ハラスメントや「子どもは3人以上産むべき」、「子どもを産まないLGBTのカップルは生産性がない」の暴言が相次いでいます。

 日本のジェンダー平等での遅れの大きな原因は、新自由主義の財界戦略と一体の政府の政策、排外主義や復古主義、軍事主義など右翼的な傾向のつよまりです。6年連続過去最高を更新している軍事費と軍備増強、大企業や富裕層への減税の一方で消費税率の10%への引き上げなど不公正な税制、社会保障や公共サービスの大幅削減、大規模化する自然災害対策の遅れ、食の安全と家族農業を破壊する自由貿易協定、福島原発事故がなかったかのような原発依存と被災者切り捨て、地方の疲弊を加速する公共交通網の縮小など、いずれも北京会議以降のCSWをはじめ、ジェンダー平等に関する国際合意や持続可能な開発目標(SDGs)に逆行するものです。

 新日本婦人の会は、女性の人権・ジェンダー平等に関する国際合意、女性差別撤廃条約を全面実施し、「だれも取り残さない」社会の実現へ政策の転換を求めていきます。

 

核兵器のない世界へ、核兵器禁止条約の早期発効を

 2020年は「北京+25」とあわせて、国連安保理決議1325採択20年、UNウィメン設立10年の年であり、被爆75年・国連創設75年という重要な節目の年です。SDGs達成のとりくみ開始から5年めでもあります。

 新婦人は、唯一の戦争被爆国として、アジア近隣諸国に日本軍「慰安婦」問題など重大な人権被害を与えた侵略戦争の加害国の女性として、核兵器廃絶・平和と女性の人権・ジェンダー平等を一体のものとしてとりくんできました。

 「核兵器と人類は共存できない」と、自らの体験を語り核兵器の非人道性を訴えてきた被爆者と、被爆者と連帯した市民の運動が、各国政府を動かし、核兵器禁止条約が採択されました。32カ国が批准し、条約発効(50カ国)は時間の問題です。核兵器とともに気候変動は人類最大の危機と言われ、緊急な対策が求められています。核兵器の開発・製造につぎ込まれている莫大なお金は、気候変動への対応、飢餓・貧困根絶、ジェンダー平等など人々と地球のニーズのために使われるべきです。核兵器禁止条約を発効させ、廃絶へと向かうことこそ、SDGs達成への大きな力です。核兵器禁止条約は、「女性と男性の平等な参加が持続可能な平和及び安全の促進と達成に不可欠」と明記しています。「北京+25」として開かれるCSW64の直後には、核不拡散条約再検討会議が開かれます。私たちは、CSW64から核兵器禁止条約の1日も早い発効を呼びかけるよう、求めます。

 

PDFデータ

第64回国連女性の地位委員会への声明

 

 

国連女性の地位委員会(CSW) United Nations Commission on the Status of Women 

 1946年、世界の女性の地位向上を推進するために設置され、毎年3月に会合。60年代半ば以降、植民地が次々独立・国連に加盟するなか、経済的・社会的開発における女性の役割にとりくむようになる。95年の第4回世界女性会議(北京)で「北京宣言」と「行動綱領」が採択されて以後、CSWで「行動綱領」の個別の領域やあらたな課題について議論しとるべき行動を提起、5年ごとに「行動綱領」の実施状況を全面的に検討して、各国での合意の実行を強化する努力がされている。

 2020年の第64回国連女性のち委員会(CSW64)は、北京+25として開催、事務局をつとめる国連の女性機関UNウィメンは「平等の世代平等な未来のために女性の権利を」と題したキャンペーンを展開し、若い世代とともに行動しようと呼びかけている。

 新日本婦人の会は、2003年に経済社会理事会の特別協議資格を取得して以後、正式に招待され、文書提言(声明)や会議傍聴、NGOとの交流を行っている。

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