2012年2月9日 くらし・社会保障

「福島の子ども医療費無料化を求める緊急アクション」

国での実施を求める要請をメールで首相・メディアに送ろう――
福島子どもチームほか6人で緊急アクションの呼びかけを記者発表しました。

福島の子ども医療費無料化を求める緊急アクションをよびかけます

東京電力福島第一原発事故がもたらした放射能が、子どもたちの健康にどう影響しているのか、今後どうあらわれてくるのか、多くの国民が心を痛めています。
「福島県内の18歳以下の子どもの医療費無料化」はオール福島の切実な願いであり、私たちの願いでもあります。ところが、「子どもの健康管理が最優先」「大変重要な課題」と述べていた野田首相が、「福島県だけを国費で無料にすることは、医療制度全体の根幹にかかわる」として、見送りを決定したことに、私たちは驚きを禁じえません。
福島県が県独自で実施する方針を決めましたが、それでよしとすることはできません。原発事故を起こし、子どもたちの健康不安をつくりだしたのは、東電と国です。「医療制度全体の根幹」をいうなら、放射能の影響をもっとも受ける子どもたちがお金の心配なしに病院にかかれることこそ、制度の根幹に据えられるべきではないでしょうか。福島の18歳以下の子ども医療費無料化の経費は年間ている政党助成金(168億円)よりずっと少なく、来年度予算で4機購入するというF35次期戦闘機1機分(100億円)にもなりません。
私たちは、福島の18歳以下の子ども医療費無料化を実現するために、日本中のみなさんに以下の行動をよびかけます。

福島の子ども医療費無料化を求める緊急アクション
呼びかけ人からのメッセージ

<個人の方、五十音順>

安斎育郎(安斎科学・平和事務所所長)

子どもは放射線感受性が高く、また、初期にヨウ素 131 の汚染を受けた危険性もあり、今後の健康管理はリスクを最小化する上で不可欠です。子どもは社会の宝、大事にしましょう。

UA(歌手)

この国が、被ばくについて隠すことはもはや許されません。命のつながりを最優先にできる社会に産まれ変わるのをこの目で見たい。母として生涯をかけてそのことを望みつづけるつもりですが、ただ待っている時間はありません。まずは福島の子どもたちに最善をつくすことが、この国の責任です。3・11 に、子どもたちの安全な食と未来を考える「食と音楽の祭典」を沖縄県名護市で開くために、私も準備に追われています。

笠井貴美代(新日本婦人の会会長)

「子どもを最優先に」を言葉だけにしてほしくありません。戦闘機1機分でできます。子どもたちのいのちを守るためにこそ、私たちの税金を使ってください。

香山リカ(精神科医、立教大学教授)

福島の子どもの健康と未来のために、私たちはそれぞれができることを目いっぱいしてあげなくてはなりません。私には何ができるか、と日々、考えています。国には医療費の請負いをぜひお願いします。

室井佑月(作家)

そんなの当たり前のことだと思います。経済の低迷を理由に当たり前のことじゃないというのなら、もうこの国は終わりです。

湯川れい子(音楽評論・作詞)

福島の子供は、放射能の影響下から逃げることも、疎開もできずに暮らしています。せめて医療費くらいは、国の責任、責務として全額無料にして下さい。すべては国の責任で起きている事なのですから。

ふくしま復興共同センター放射能対策子どもチーム

福島の 18 歳以下の医療費無料化について、政府は「風邪や骨折まで原発事故と結びつけて国が医療費を支払うことは難しい…と判断した」という新聞報道がありましたが、1年近く外で思いきり遊ぶことや運動することを制限されて、体力も免疫力も低下しています。
ケガをしやすくなったり風邪をひきやすくなったり、原発事故と関係ないとはいいきれません。
これは福島だけの問題ではありません。福島から医療費無料化の流れをつくっていきたい。

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