2014年3月18日 声明・談話・要請など

竹富町教育委員会への不当な「是正要求」に抗議します

文部科学大臣

    下村博文 様

                                            新日本婦人の会

                                会長 笠井貴美代

 3月14日、文科大臣は沖縄・八重山教科書採択地区内(石垣市、竹富町、与那国町)で、同一の中学校公民教科書が採択されていない問題で、竹富町教育委員会に対し地方自治法に基づく「是正要求」を出しました。国・文科省が市町村に直接、是正要求するのは初めてです。

 「是正要求」の理由は、石垣市、与那国町が侵略戦争賛美の育鵬社版公民教科書を採択しましたが、竹富町は東京書籍版を採択したことで、同一教科書の採択を定めた教科書無償化措置法に違反しているというものです。八重山採択地区では、採択協議会でいったん育鵬社版の選定を答申し、石垣市と与那国町は育鵬社版を採択し、竹富町は東京書籍を採択しました。同一教科書が採択されなかったため、2011年9月に3市町の教育委員全員による協議が行われ、東京書籍版を採択しました。この採択こそが、無償措置法に基づく協議の結果です。ところが、文科省はこの協議結果を認めず、育鵬社版を押し付けています。このことが、混乱を招いた発端です。

 地区協議会内で同じ教科書を使っていない竹富町が法律違反しているのであれば、石垣市、与那国町も同様に違反です。しかし文科省がおこなった指導は、育鵬社版を拒否した竹富町に対してのみの強権的なものです。現在、竹富町は無償給付の対象外とされたため、住民らの寄付によって東京書籍版が生徒に無償で配布されており、何ら混乱は起きていません。今回の「是正要求」そのものが教育現場に混乱を引き起こしています。沖縄県教育委員会も「竹富町において教育の機会均等は阻害されていない」との見解を示しています。

 今回の「是正要求」は、教育行政においてもっともふさわしくない強権をふりかざして、国が地方教育行政に介入するものであり、決して許されるものではありません。戦争する国づくり、人づくりへの動きと軌を一にするものとして、強く抗議し、ただちに撤回することを求めます。

竹富町教育委員会への不当な「是正要求」に抗議します

 
 

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