2014年6月25日 ジェンダー平等

「性差別」発言問題を曖昧に終わらすことは許されません発言者の特定と厳正な処分、再発防止を求めます


新日本婦人の会
会長 笠井 貴美代

新日本婦人の会は1962年の創立以来、女性の人権とジェンダー平等、平和を掲げ、女性のあらゆる要求実現のために全国で活動する、国連経済社会理事会の特別協議資格を有するNGOです。
6月18日、都議会において妊娠・出産・子育てにかかわる女性への支援体制について質問をしていた塩村文夏議員に対する男性議員による「やじ」問題は、国内はもとより海外でも大きな批判を受けています。「早く結婚しろ」「産めないのか」などの発言は、性や生殖についての自己決定権や女性の生き方を踏みにじる、重大な人権侵害であり、性差別にあたるというのが、国際社会の共通認識です。だからこそ、海外メディアはいっせいに「性差別発言」「性差別虐待」ときびしく報道しているのです。
名乗り出た鈴木章浩議員の「早く結婚していただきたいとの思いから発した」という弁明そのものもまた、性差別にもとづく発言とみなされ、会派離脱ですまされる問題ではありません。こうした「やじ」に対し笑いが起こった都議会の現状は、性差別への認識の欠如を示すものです。今回の事態が国際的には、日本の性差別の根強さ、ジェンダー平等の遅れを示すものとしてとらえられていることを深刻に受け止めるべきです。2020年オリンピックを開催する都市として恥ずべきことです。
今回の発言は、子どもを産みたくても産めない現状、精神的にも経済的にも大きな負担となる不妊治療など、悩みや困難を抱えている女性たちの心を大きく傷つけました。「やじ」発言を行なった議員たちには、議員としての資格はないと言わざるを得ません。すみやかに名乗り出て、辞職すべきです。
全容を解明することなく再発防止決議で収束をはかろうとするのは、許されません。国内外の批判を真摯に受け止め、全発言者の特定と厳正処分、議員などへの教育と啓発、システムの構築など再発防止を行なうよう、つよく求めます。
 

 

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