2014年8月19日 声明・談話・要請など

秘密保護法は廃止すべきです 関連する施行令案、運用基準案、政令案についての意見


新日本婦人の会中央本部

<手続きについて>
きわめて難解で膨大な資料を国民の前に突きつけ、説明会を開くわけでもありません。パブリックコメントの多寡や内容にかかわらず、「手続きを踏んだ」と開き直る意図が透けて見えます。安倍政権は昨年9月、わずか2週間の期限で、秘密保護法案概要のパブリックコメントを公募、9万通以上寄せられ、その約8割が反対だったにもかかわらず、稀代の悪法の成立を強行しました。このような、形ばかりのパブリックコメントを繰り返し、非民主的な手続きで秘密保護法を施行することは許されません。秘密保護法は廃止すべきです。
1、特定秘密の保護に関する法律施行令(案)について
秘密保護法は、表現の自由を保障する日本国憲法第21条、意見を持つ権利・表現の自由を保障する「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)第19条に違反する法律です。憲法違反の法律をそのままにして、運用基準や施行規則をつくることは意味がありません。秘密保護法は施行せず、廃止すべきであり、法律施行令も不要です。
1、特定秘密の指定及びその解除並びに適正評価に関し統一的な運用を図るための基準(案)について
たとえば、以下の点をみても、秘密保護法は矛盾と欠陥だらけで、施行ではなく廃止すべきであり、運用のための基準も不要です。
-政府の違法行為や汚職、腐敗、環境汚染などの事実を特定秘密に指定してはならないことがどこにも明記されていません。国民に知らせるべき事実が隠される危険性がきわめて高くなっています。
-秘密保護法違反容疑で逮捕、起訴された人の裁判が公開で行なわれることが明記されていません。日本国憲法は公開裁判を受ける権利を保障していますが、秘密を保持したままどのように裁判を行なうのでしょうか。
-軍事やテロ活動、スパイ活動、外交方針のいずれについても、秘密指定できる範囲がきわめてあいまいなままです。これでは、恣意的な秘密指定が行なわれることは確実です。
-「報道又は取材の自由に十分に配慮すること」との記述はあるもののその保障はなく、市民活動家が除外されていることも見過ごせません。
-適性評価に際し、医療機関に対して個人の医療情報の照会を行なうとされていますが、医師には守秘義務があり、違反行為を強いることは許されません。
1、内閣府本府組織令の一部を改正する政令(案)について
たとえば、以下の点をみても、秘密保護法は欠陥だらけで、施行ではなく廃止すべきであり、政令も不要です。
-独立公文書管理監について、内閣府令に設置根拠だけはつくられましたが、その構成メンバーの選任基準はまったく明確にされていません。事前の報道では、防衛省、外務省、警察庁の審議官レベルで構成するとされており、これでは「第三者」とはいえません。
-独立公文書管理監は秘密の指定、解除について、行政機関を管理監督するといいますが、秘密指定行政機関に帰るような出向人事では、独立性は確保できません。
-独立公文書管理監が特定秘密の開示を求めても、行政機関は「安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められない」ときには、開示を拒否できるとされています。特定秘密に対する完全な開示の権限を持たないような「第三者機関」は意味がありません。

 

 

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