新婦人は内閣総理大臣、厚生労働大臣、財務大臣あてに、要請書「広がる不安と切実な声に応え、新型コロナウイルス感染対策は、科学的根拠と実態にそくし、財源をともなう具体策を緊急に示してください」を送付しました。

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内閣総理大臣　　安倍晋三　　様

厚生労働大臣　　加藤勝信　　様

財務大臣　　麻生太郎　様

【要請書】

「広がる不安と切実な声に応え、新型コロナウイルス感染対策は、科学的根拠と実態にそくし、財源をともなう具体策を緊急に示してください」

2020年3月2日
新日本婦人の会
会長　米山 淳子

 

　安倍首相は会見（2月29日）で、新型コロナウイルス感染対策として小・中学校、高校、特別支援学校の「一律休校」の実施を要請したことについて、「子どもたちにとって大切な時期で断腸の思いだが、感染リスクに備えなければならない」と述べるだけで、その科学的根拠も財源をともなう具体策も示しませんでした。文科省や与党の反対も押し切った独断であったことも明らかとなり、「後手に回った」などの批判を避けたい、「強いリーダーシップ」を示したいというまさにパフォーマンスでした。しかも、コロナ対策がゼロ円の2020年度予算案に野党が提案した「対策費2500億円計上の組み替え案」を与党が否決し、翌日に初の会見をおこなうという不誠実きわまりないものでした。

　その間にも、現場での混乱は全国に広がり、新日本婦人の会には「とても子どもを一人では置いていけない」「非常勤講師の私は無収入に」、さらに実施日初日の今日2日には「学校開放で低学年を中心に各教室10人、一日マスク着用で私語禁止、昼食後に15分だけおしゃべり可、校庭に出るのもダメ…。先生たちもあまりに子どもたちがかわいそうと話し合っている」など悲痛な声が届いています。

　学校をめぐるこうした事態や、どこまで感染が広がっているのか分からない現状などをふまえ、ただちに以下の対策をとるよう、強く要請いたします。

 

 

１、「一律休校」要請が強制力をともなうものではないことを徹底し、子どもと保護者、教職員の声を大切にするために自治体の自主的判断にまかせ、国はそこへの全面的な財政支援をしてください。

１、なぜＰＣＲ検査が2517人（厚労省ホームページ3月1日12時現在／クルーズ船乗客除外）にとどまっているのでしょうか？　必要な人が検査をすぐに受けられるよう、財政支援をともなう抜本的対策をただちにとってください。

１、休業を余儀なくされているすべての正規・非正規など労働者への所得補償、イベントの中止・延期要請のために収入の道を絶たれている業者への補助・補償など財政支援をともなう対策を示してください。

１、なぜ、いつまでもマスクや消毒液などが手に入らないのでしょうか？　不足しているマスクや衛生材料、消毒液等がなぜ市場に出回らないのか、どう確保するのか、その対策を示してください。

１、トイレットペーパーが店頭からなくなるなど不確かな情報の流布にはただちに対処してください。情報をすべて公開し、情報提供は事実にもとづき、懇切・丁寧におこなってください。

１、上記の対策を早急におこなえるよう、参院での2020年度予算案の審議で、抜本的な緊急措置をふくむ必要な予算を組んでください。