2010年10月21日 ジェンダー平等

UNウィメン活動開始へ国連安保理決議1325採択10周年

地球発2010年10月号より

新婦人国際部長 平野恵美子

ジェンダーの視点で安全保障を見直す

ひらの2今月31日、「女性・平和・安全保障に関する」国連安全保障理事会決議1325の採択10周年をむかえます。決議1325は紛争下での女性と女児の権利の保護、紛争解決と予防、平和構築のための女性の役割を認め、女性の意思決定への参加を引き上げるために、安保理、国連と加盟国、紛争の当事者含めその解決や和平協定と予防にかかわるすべての人々がすべきことを呼びかけています。キーワードはprotection(保護)、prevention(予防)、 participation(参加)の3つのp。女性と女児の特別のニーズや人権に配慮するための研修や制度の整備、ジェンダーにもとづく暴力、特に性暴力から女性と女児を守る特別の措置とともに、加害者の処罰ももとめている点が重要です。
決議1325は「画期的」なものとして注目されました。安保理という男性中心の機関が、安全保障という”男の領域”にジェンダーの視点をすえたこと、そして、NGOの力でつくったものだったからです。新婦人とも交流のある婦人国際平和自由連盟(WILPF)など、女性の人権と平和のために活動する女性NGOが案文をつくり、安保理のメンバーにはたらきかけて紛争地の女性の証言をきく会合を開くなどのとりくみを重ねて実現したのです。
大切なことは、この決議は紛争地の女性を守るためだけでなく、ジェンダーの視点で安全保障のありかたを見直す、意思決定に女性が男性と平等に参加することで、戦争や紛争を起こさないための合意をつくる方向へと、政策の転換をはかるための道具になるのです。2008年には戦争の武器としての性暴力を禁止するための決議1820が、その後1325と1820を強化する決議も採択され、日本軍「慰安婦」問題や基地被害の解決にも活用できるものです。これら決議を学び運動に活かしていきましょう。

「UNウイメン」始動へ

UNウイメンの初代責任者―チリのミシェル・バチェレ前大統領

UNウイメンの初代責任者―チリのミシェル・バチェレ前大統領


 
7月2日、国連総会は女性の権利とジェンダー平等へのとりくみをいっそう強化するために、今ある女性機関を統合して「UNウイメン(国連女性)」の設置を決議。9月14日、潘基文事務総長はその初代責任者にチリのミシェル・バチェレ前大統領を任命しました。UNウイメンは2011年1月に本格的に活動をスタートします。「ジェンダー平等・開発・平和」の目標を国連のすべての活動に位置づけ、平和で公正、持続可能な社会をつくっていく大きなステップとして期待されます。

(安保理決議1325の詳細は「女性&運動」2010年10月号を参照)

 
 
 

一覧へ戻る