2011年12月15日 アクション

米軍基地ノー、アジア・太平洋の女性が連帯2011年日本平和大会in沖縄(11月24~27日)

開会集会参加者が「基地NO!」

開会集会参加者が「基地NO!」

いなぐや平和ぬさちばい(女性が平和の先頭に)

「若い人たちに運動が引き継がれ、各国にひろがっていることに、とても励まされました。全国の仲間の激励を受けて、沖縄は一つになってがんばっています。沖縄の古い言葉から変じて、私たちは〝いなぐや平和ぬさちばい(女が平和の先頭に)〟です。女が先頭に立つたたかいは勝利する」と、新婦人沖縄県本部会長の前田芙美子さん。10人の仲間とともに日本平和大会に参加したグアム平和正義連合のホープ・クリストバルさんの手を固く握りました。

心は一つ。高江のフェンスには全国の新婦人から送られたタペストリーが

心は一つ。高江のフェンスには全国の新婦人から送られたタペストリーが


今年の平和大会は、国際フォーラム(11月24、25日)を初めてグアム平和正義連合と日本平和大会実行委員会が共催。次つぎと若者が登壇し、発言する姿は、基地撤去を許さない運動の高まりを感じさせました。開会集会、分科会・シンポジウムなどを経て27日の閉会集会は、米軍基地が返還され、生まれ変わった「新都心公園大原っぱ」(那覇市)が会場。博物館・美術館、商業施設が立ち並ぶ新都心をめぐるパレードには、若者や親子連れがあちこちで手を振り、「基地はいらない」の思いが県民共通であることを実感しました。

フィナーレでは♪勝利を我らにを歌った。

フィナーレでは♪勝利を我らにを歌った。


 
26日夜の「軍事基地化にノー!沖縄、グアム、太平洋の女性たちと―女性の交流会」は、5カ国15人の海外代表と全国からの参加者が集い、感動的な集会となりました。
開会あいさつに立った新日本婦人の会の笠井貴美代会長が、フィリピンのスービック米軍基地を撤去して8万9000人の雇用が新たに生まれ、一大観光スポットに風力発電も計画されていることを紹介し、「基地をなくせばどんな平和な街ができるか、暮らしを守る未来が生まれるか、夢や展望を語れる時代が来ている。この美しいアジア・太平洋地域の固い絆でアメリカのアジア太平洋地域への新しい軍事戦略を許さない共同の女性たちのたたかいをまきおこそう」と訴えると、グアム平和正義連合のキーシャ・キチョチョさんはチャモロ族(先住民)の女性は民族の力であり、土台と語り、「(それを受け継ぐ)私たちがふるさとを守る責任を果たさないなら誰にできるでしょう」とこたえました。
檀上で抱きあうホープ・クリストバルさん母娘

檀上で抱きあうホープ・クリストバルさん母娘


元上院議員の母とともに参加のクリストバルJrさんは、「5人の子どもを育て不正義や戦争に反対する母から、行動するなかに美しさがあり、大きなものに立ち向かっていかなければならないこと、自分自身が思っている以上に自分が大きな人間であることを教えられた」と述べ、「ありがとう」と母娘が壇上で抱きあい、会場は感動に包まれました。

県民・女性への侮辱発言に抗議!緊急リレートーク

首相官邸前で

首相官邸前で


 
新婦人は12月7日、沖縄と連帯し、首相官邸前で緊急リレートーク&抗議・要請行動にとりくんだ。沖縄防衛局長の暴言への抗議と一川防衛大臣の更迭、新基地建設環境アセス提出と高江オスプレイパッド建設にノー! をつよく要求。笠井貴美代会長はじめ、東京、神奈川、埼玉らが次つぎ訴えた。

希望と信念と誇りを

グアムの若い代表が次つぎ発言。写真やメモを熱心にとってー国際フォーラム

グアムの若い代表が次つぎ発言。写真やメモを熱心にとってー国際フォーラム


パラオのエリシタ・モレイさんは感動で胸をつまらせ語りました。パラオが世界初の非核憲法を樹立したのは25年前の沖縄の平和大会に参加して。くつがえそうとするアメリカの暴力や策動のなか毅然とたちあがった亡き母。「この旅は私にとって新たな出発。太平洋、世界の女性と手を結んで軍事化に対してたたかわなければ」と、きっぱり。
「女性の集まりがすばらしいのはいのちを讃える集まりだから。米軍や基地が健康や女性の尊厳、子どもや環境をいかに傷つけるかを語り、たたかいつづけましょう。足元から行動、視野はグローバルに。太平洋の人びとのパートナーシップをつくっていきましょう」と、フィリピンのコラソン・ファブロスさん。
沖縄からの発言者の1人、東村高江の伊佐育子さんは、先週から高江集落を囲むようにつくられる六つのヘリパッド工事再開の厳しい状況を語り、「こんなに多くの人と、希望と信念と誇りを持って集えたことがうれしい」と発言。工事の重機をゲートにいれない無言の抵抗(座り込み)は、「戦後、沖縄の先輩がブルドーザーの前で自分の土地を守るためにいのちをかけて座り込んだときと同じ。かつてアメリカ軍がしたことを、いま日本政府が住民にしている」と。また「この集いに参加して、新基地建設が一歩も動かないのは、全国のみなさん、グアムや太平洋と沖縄がつながり一つになっているからと確信しました。すべてのいのちを守るため、一緒につながりがんばりましょう」と結びました。普天間基地のある宜野湾市、辺野古の新基地建設を押しとどめている名護市の発言、沖縄戦で身重の体で逃げ惑い、生き延びた外間豊さんは、「無駄な税金の使い方は許せない。あのとき亡くなったものに代わって基地のない沖縄をなんとしても」と、声をふりしぼって訴えました。
動く分科会で高江に

動く分科会で高江に


この2年余のたたかいを通じて、「普天間基地閉鎖・撤去」「県内移設反対」は、ゆるぎない県民の総意に。一方、アメリカ議会ですら、「辺野古移設は実現不可能」「沖縄の海兵隊を帰還させるべき」などの声が起こっていることも平和大会でうきぼりになりました。
米国に言われるまま、沖縄県民の頭越しに、力づくで新基地建設を推し進めようとする野田政権。年内に埋め立てのための「環境アセス評価書」を沖縄県に提出しようと策動すなか、その時期をめぐって「(女性を)犯すときに『これから犯しますよ』というか」との田中聡沖縄防衛局長(のちに更迭)の発言が。自分たちの行為の犯罪性を認め、女性を冒涜する発言に、日本中で怒りの声が噴出。「軍事基地はいらない」の声は、日増しに高まっています。
 

一覧へ戻る