2023年8月16日 アクション

原水爆禁止2023年世界大会 女性平和基金招待者からのメッセージ

4年ぶり女性平和基金招待者が 原水爆禁止世界大会に参加!

女性平和基金で原水爆禁止2023年世界大会に参加した、フィンランド平和を求める女性の会のウーラ・ロックッツァ-さんとニューヨーク州ピースアクション 学生運動担当のマーガレット・エンゲルさんから動画メッセージです

左:ウーラさん・右:マーガレットさん

左:ウーラ・ロックッツァ-さん / 右:マーガレット・エンゲルさん

 

◆下記のリンクから動画を閲覧・ダウンロードすることが出来ます。

 ウーラさんの動画メッセージはこちら

 マーガレットさん動画メッセージはこちら

 

 

・新婦人しんぶん9月2日号でもウーラさんとマーガレットさんの記事を掲載しているので、以下に紹介します。

 

 

核兵器廃絶へ 連帯、エンパワーメント!

女性平和基金で世界大会に参加して

 

 原水爆禁止2023年世界大会には、4年ぶりに女性平和基金で海外から2人の女性が参加しました。フィンランド平和を求める女性の会のウーラ・クロッツァーさんと、アメリカのニューヨーク州ピースアクションのマーガレット・エンゲルさんです。2人は広島での国際会議や、長崎の開会、閉会総会、分科会などで発言し、広島では新婦人との交流会をおこないました。「女性がサポートし合う女性平和基金で招待されたことが何よりうれしい」と語る2人に、それぞれの活動や世界大会の感想を聞きました。

 

 

女性たちが団結し、平和の輪を広げよう

フィンランド平和を求める女性の会 ウーラ・クロッツァーさん

 人類史上最大の悲劇が起きた広島・長崎で開催される、極めて感動的で重要な世界大会にお招きいただいたこと、なにより女性平和基金という女性のみなさんのすばらしいとりくみによって参加できたことを、心から感謝し、光栄に思います。

 

核も軍事同盟もNO

 世界大会に集まった私たちには、母なる地球とその住民を大切にする世界中の人々とともに、あのような許されざる犯罪が再び繰り返されるのを防ぐ道義的責任があります。人類を絶滅させかねない軍事同盟であるNATО(北大西洋条約機構)が、このまま世界規模の拡大を続ける限り、核保有国も、核配備を受け入れている国も、核兵器禁止条約に調印することはないでしょう。

 フィンランドはこの4月、NATОの31カ国目の加盟国になりました。これは非常に私たちを脅かしています。NATОは世界中の戦争に関与してきた核兵器を持つ戦争機構で、今、世界の軍拡競争をあおっています。社会福祉や医療、教育に切実に必要とされているお金が、まったく愚かな軍事目的に使われています。世界の軍事費は2022年、3・7%増えて2兆2400億㌦に達し、過去最高となりました。

 いま、情勢は行き詰まっているように見え、絶望感にとらわれることがありますが、小さな希望の光も見えています。

 私たちフィンランド平和を求める女性の会は、各国の女性たちとともに、「反NATОで団結し平和を求める世界女性の会」を結成し、今では世界約40カ国に広がっています。7月には、ベルギーのブリュッセルの欧州議会に集まり、NATОの活動や目的を全面的に非難した声明をNATО本部に届け、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、アジア太平洋、ラテンアメリカを結んだウエブ会議を開催しました。

 

軍事費削って

 北欧で今「WE MUST KNOW」(私たちは知らなければならない)というキャンペーンを広げています。日本も軍備費が増えていますが、NATОは加盟国に対し、軍事費をGDPの2%にするよう要求しています。私は40年来教育に携わってきましたが、その教育予算も縮小され、学級規模も20人だったのが30人になったり、教育補助員を確保するのが難しくなっています。賃金が低く、働きすぎて燃え尽きている先生もいます。一つの戦闘機の2時間の空中訓練のために、1人の看護師の1年分の給料が使われている。こうした事実を具体的に訴えていきたいですね。

 大会に参加し心から感動したのは、新婦人が全国に県本部、支部をもち、次世代のみなさんとともにそれぞれが創意ある活動を広げていることです。みなさんの姿に、強い力とあふれるほどの希望を感じました。新婦人がもっと大きくなってほしいです。私たちは一人ではない。世界がつながっています。世界の女性たちが団結しながら、平和を求める輪を広げていきたいと思います。

 

 

市民社会は変化を作り出す力がある

ニューヨーク州ピースアクション 学生運動担当 マーガレット・エンゲルさん

 毎年世界大会を開催しているみなさんは、被爆者に自らの体験を証言する場を提供するとともに、あらゆる年齢、性別、民族、経歴の活動家を結集し世界の軍事化に対抗する力を与えています。

 

若い世代が行動

 私は、全米最大の草の根平和ネットワーク・ピースアクションのニューヨーク州支部の代表として来ました。この8月、各地の支部が集会やオンラインで被爆者を追悼し、世界が歴史上最も壊滅的な時代に突入しつつある今こそ、核兵器のない世界の実現をと訴えています。

 私の仕事は、学生の組織化や運動を支援することです。州内に15ある大学支部は、専門家を招いてのウエビナー、議員へのロビー活動、抗議デモや集会を開き、学生の中で対話をすすめ、気候変動、人種差別、先住民の権利、核拡散など平和や社会正義にかかわる問題にとりくんでいます。ある支部は今年、学内で平和サミットを開催しました。学生と地元の平和活動家が集まって話し合い、行動で協力し合うことになりました。

 

議会を動かす

 市民社会は、日本でも、アメリカでも、どこでも変化をつくり出す力があります。ピースアクションは他団体とともに、地元選出の議員に対し核政策の具体的な変更を求める要請を続け、核兵器にかけている費用を、もう一つの世界的脅威である気候変動の対策に使うことなどを求める法案がいくつか議会に提出されています。今、大統領に核兵器禁止条約の支持を、政府に世界を核戦争の瀬戸際から引き戻す先頭に立つよう求める下院決議77号に賛同するよう、各地で地元議員にはたらきかけています。

 

運動に多様な声を

 ピースアクションの活動は、勇気ある女性たちなしにあり得ません。女性は平和運動や社会運動の先頭に立っています。すべて、自分の問題ととらえているからです。私は若い世代の活動家として、先輩たちの経験を聞き、多様な意見を聞いていく必要があると思っています。世代間の信頼関係を築く努力と同時に、若い世代は運動のスキルをみがきながら今持っている力を発揮して自分たちの地域で変化を起こしていく。こうした努力を通じてこそ、核兵器のない公正な社会を築くことができると思います。

 初めて広島、長崎の世界大会に参加して、平和運動は生き生きとしたものであると実感しています。アメリカでは軍事や核の問題を話すことがためらわれたり、傷つくことも多いのですが、ここでは何でも自由に話せました。もっとたくさんの新婦人のみなさんに会いたい。

 お会いした会員のみなさんが、何年も核兵器廃絶と平和、女性の正義、みんなにとってよりよい未来のために活動していることに大きな力をもらっています。これからもともに、戦争や暴力に反対し声をあげていきましょう。

 

 

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