2014年3月1日 くらし・社会保障

【談話】東日本大震災・原発事故3年にあたって

新日本婦人の会会長 笠井貴美代

 「アベノミクスだ、オリンピックだとはしゃぐ日本の一角に、時がとまった町があることを忘れないでほしい」――福島の被災女性の声は、東日本大震災・福島原発事故の被災者を置き去りに暴走する安倍政権への怒りの告発です。
3年たってもなお被災地全体で27万人が避難生活を強いられ、福島ではふるさとに戻れない住民が14万人にのぼり、避難解除で賠償が打ち切られ始めています。先の見えない日々を送る被災者をいつまで放置するのでしょうか。仮設でない安心の住宅確保、医療費・介護保険料免除、生活と生業の再建は切実な願いでありながら、問題が山積したままです。安倍政権が「戦争する国」づくりのための中期防衛力整備に5年間で使おうとしている25兆円は、東日本大震災の被害総額に匹敵します。被災者への本格的支援はその気があればできます。なにより国と東電は汚染水処理など事故の収束、福島事故の被災者全員の生活再建、賠償に責任をもつべきです。
女性や国民の多数が原発ゼロを願い、各地で声を上げ続け、行動しているにもかかわらず、政府がこの3月にも、エネルギー基本計画で原発を重要なベース電源とし、再稼働への道を開こうとしていることは絶対に許されません。政府が即時ゼロを決断してこそドイツのように廃炉にむかってすすみ、それ自体が雇用を生む一大事業となるでしょう。外国への原発輸出など論外で、廃炉技術こそ広めるべきです。
この間、巨大地震や津波の新たな知見が次々出され、豪雪や竜巻など気候変動による災害も多発しています。広域合併や公務員削減で災害時の救援が届かない問題は全国共通の課題です。ひろく女性たちとともに、被災地支援を息長く続けながら、自治体・国の災害対策の強化、防災対策に女性の声をと、とりくみをつよめていきましょう。

一覧へ戻る