2018年3月9日 アクション

東日本大震災・東京電力福島第一原発事故から7年、国の責任で生活と生業の復興・再生へ緊急支援を

内閣総理大臣 安倍晋三様
復興大臣 吉野正芳様
経済産業大臣 世耕弘成様
内閣府特命担当大臣(原子力防災) 中川雅治様

2018年39

新日本婦人の会

会長 笠井貴美代

 

東日本大震災・東京電力福島第一原発事故から7年、国の責任で生活と生業の復興・再生へ
緊急支援を

 
東日本大震災と東電福島第一原発事故から7年、被災地の懸命な努力にもかかわらず、今だに11万人が避難生活を余儀なくされ、震災関連死は3,647人と増え続けています。国の生活再建対策の遅れは重大です。住まい、生業、地域コミュニティーづくりを始め、健康的で普通の生活がおくれるように被災者一人ひとりの声に耳を傾け、政府の責任で生活再建優先の支援策を行なうよう強く要望します。
福島原発事故により格納容器内は手がつけられないほど高い放射線量で、収束や廃炉の見通しもたたず、原因の究明もできず、放射能汚染水対策の見通しもたっていません。これほど深刻な状況であるのに、原発事故がなかったかのように住民合意のないままで帰還困難地域以外の避難区域の解除、自主避難者の住宅無償提供の打ち切りなど福島の切り捨ては絶対に許されません。原発ゼロを決断し、再稼働や輸出は中止すべきです。
温暖化による異常気象と地震活動期の日本で大地震や火山噴火、大雨・土砂・大雪などの対策も急がれます。
軍備拡大、大型開発優先の一方で、社会保障切り捨てや消費税増税など貧困と格差を拡大させ、「戦争する国づくり」を進めることは復興を大きく妨げるもので、その転換が求められます。
以下、強く要請します。
1、2016年度以降の5年間を「復興・創生期間」とし、復興事業費の一部を被災自治体に負わせています   が、国は自治体負担をなくすように復興財源を確保し、さらに、自治体が自由に使える財源もつくること。
1、被災者生活再建支援法の上限を500万円に引き上げ、支給対象は半壊・一部損壊など拡充すること。被害戸数にかかわらず適用できるようにすること。二重ローン解消へ収入基準を見直し、引き上げること。
1、被災地復興の新たな町づくりは、女性・高齢者・社会的弱者含め住民の声を反映してすすめること。
1、仮設住宅の抜本的改善、仮設退去の際の備品譲渡は全仮設入居者を対象にすること。災害公営住宅建設の加速と入居資格の緩和で希望者全員が入居できるようにすること。家賃は減免措置を継続し、被災者が住み続けられるよう法律整備をすること。みなし仮設の一方的追い出しはせずに支援を継続すること。
1、仮設住宅に限らず、在宅被災者の支援も位置づけて生活支援員を配置し、災害公営住宅の高齢者の見守りや高齢化したコミュニティ-の維持、精神疾患や認知症などへの対応策を講じること。
1、被災者の医療費、介護保険等の一部負担金(利用者負担)の免除継続へ国は財政支援をおこなうこと。
1、生業の再建を希望する企業や事業者に対するグループ補助等の支援策を継続・拡充すること。
1、正規教員による1000人の教育復興加配を継続・拡充し、最低でも10年単位の措置とすること。被災児童の心のケアのため養護教諭の複数配置、スクールカウンセラーの全校常時配置、中学校区単位でのスクールソーシャルワーカーの配置等をおこなうこと。
1、被災自治体の職員採用、派遣職員の受け入れにかかる経費の全額を国が負担する震災復興特別交付税による措置を復興が完了するまで継続し、拡充すること。
1、JR東日本の責任でくらしに欠かせない住民の足である大船渡線・気仙沼線の鉄路復旧早期実現のため、国が指導・助言をおこなうこと。
 1、政府の全責任で、汚染水対策など福島第一原発の事故収束・廃炉作業をおこなうこと。また、除染や原発労働者の健康管理、安全管理を徹底し、過酷な労働にふさわしい賃金を保証するよう指導すること。不当なピンハネなどないように国が責任をもって監視すること。
1、原発ゼロをただちに決断し、再生可能エネルギーの比率を大幅に増加させる「エネルギー基本計画」に改定すること。稼動原発は止め、原発再稼働を一切やめること。
1、東京電力福島第二原発を廃炉とすること。「経営上の判断」を理由とする東京電力に対し、福島第二原発を廃炉にしたうえでの事業展開を考えるよう指導すること。
1、放射性廃棄物の中間貯蔵と最終処分は国が全責任をおうこと。
1、福島の子どもたちの健康を守るため、事故当時18歳以下の全対象者の健康診査を継続し、18歳以下の医療費無料化を国の制度でおこなうこと。
1、避難者と帰還住民一人ひとりの声をうけとめて、実情に応じた住まいの確保、生業の再建、住民が要望する場所の除染をおこなうこと。また、医療や介護、商業施設、公共交通整備などのインフラ整備をおこなうこと。
1、避難区域外のフォローアップ除染をおこなうこと。除染にあたっては、福島県民の安心・安全の基礎となっている「毎時0.23マイクロシーベルト」を堅持すること。
1、福島の子どもたちに対する差別や偏見が生まれないように、放射能や放射線に対する科学的な知識と福島の現状をあらゆる機会を通して全国の学校や教育機関に周知すること。
1、モニタリングポストの撤去は行わず、必要な場所には新設すること。
1、原発事故がなければ発生しなかった被害、損害はすべて賠償するよう東京電力に指導すること。賠償金は非課税にすること。
1、福島事故処理費用は東電の破綻処理等資産売却し捻出させること。安易にすべて国民負担にしないこと。
1、防災対策は「国土強靭化」の名による大型公共事業でなく、住民本位で予防と減災へ重点シフトすること。
1、被災地の復興・復旧を大きく妨げる消費税10%増税は中止し、日本の食糧と地域を崩壊させる「農業・農協改革」は行わないこと。
1、震災・防災対策や避難所運営などに女性や高齢者の参加を拡充し、意見を十分反映すること。
 

 2018.3.11要請書 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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