2020年4月8日 声明・談話・要請など

【声明】緊急事態宣言にあたってー いのちと暮らし守る補償こそ

上記の声明を発表しました。

 

新日本婦人の会は4月8日、【声明】「緊急事態宣言にあたってー いのちと暮らし守る補償こそ」を発表しました。


 

緊急事態宣言にあたって―
いのちと暮らし守る補償こそ

 

 安倍首相は7日、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための緊急事態宣言を発令し、同日緊急経済対策を閣議決定しました。対象区域は7都府県(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)とし、期間は5月6日までの1カ月間です。改定新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく初めての「宣言」を受けて、7都府県知事は、外出や休業の自粛要請にとどまらず、臨時の医療施設を開くための土地や建物を強制使用することも可能になります。

 爆発的な感染拡大を防ぐために、外出自粛の要請などを強めることは必要なことです。同時に、新婦人も再三要請してきましたが、「自粛を求めるのであれば補償と一体に」の声が、全国知事会をはじめ、各界からいっせいにあがっています。

 

 今回の経済対策の最大の問題点は、感染拡大の影響を受けた人すべての暮らしと営業を補償するものでも、必要な人を速やかに救済するものでもないことです。安倍首相は過去最大級の総額108兆円、「雇用と生活は守り抜いていく」と強調しますが、政府の財政支出は39.5兆円、そのうち給付金にあてられるのはわずか6.3兆円です。総額には、税金・社会保険料の支払い猶予や、返済が必要な融資分、さらに事態収束後の経済対策まで含め、まさに「看板に偽りあり」です。多くの女性・国民が求める消費税減税がまったく無視されていることも大問題です。

 

対策の目玉とされる「1世帯30万円」の給付金制度は、月収が半分以下になった世帯、低所得世帯など対象が狭められたうえに、1回限りです。しかも給付の要件が「世帯主の収入の減少」と限定され、パートや派遣など非正規雇用で働く女性の収入が減っても考慮されず、ジェンダーの視点が欠落しています。長引く自粛や休業などでストレスも増し、児童虐待や家庭内暴力なども懸念されます。

 新学期を迎えるこの時期、求められていた子育て支援についても、児童手当に1人1万円を上乗せするだけというお粗末なものです。児童手当は中学卒業までしか支給されず、もっともお金がかかる高校、大学生などをもつ子育て世帯への給付金はなく、子どもの学習権が脅かされています。

 

 急がれるPCR検査と医療体制についても、「早急に整備」と言いながら、なぜ進まないのか、何をどのように手を打っているのか明らかにせず、具体的な解決策を示していません。いまだにマスク不足、PCR検査を何度希望しても受けられない状況が続いています。

 

 7日、衆院議員運営委員会の質疑で、安倍首相が新型コロナ対策に便乗して、緊急事態条項の創設など改憲論議を呼びかけたことは、絶対に許されません。緊急事態宣言を発した政府の責任において、いまこそ日本国憲法25条の「すべての国民の生存権」を守り、国の社会保障的義務を果たすべきです。

 

 新日本婦人の会は、新型コロナウイルスのこれ以上の感染拡大をくいとめる行動をつよめ、つながって励まし合う仲間を広げながら、いのちと暮らしを守るための緊急経済対策をはじめ、女性・国民の声や要望を国や自治体にさらに届けていきます。

2020年4月8日 新日本婦人の会中央常任委員会

 

 

※データは以下よりダウンロード可能です。

【声明】「緊急事態宣言にあたってー いのちと暮らし守る補償こそ」

 

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