2022年6月8日 アクション

【要望書】「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律案」(衆法)についての要望

新日本婦人の会は、6月8日【要望書】「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律案」(衆法)についての要望」を参議院各会派の議員らに提出しました。

 

参議院各会派 議員各位

「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律案」(衆法)についての要望

2022年

新日本婦人の会

会長 米山淳子

 

 

 上記のいわゆるアダルトビデオ被害救済法案について、新日本婦人の会は、女性と子どもの権利とジェンダー平等を掲げ活動する国連NGOの女性団体として、良識の府の参議院での修正等を求めるものです。

 本法案は、成人年齢引き下げに伴い、映像出演契約に関する被害救済のために緊急避難的に提案され、公表後1(施行後2年については2年)以内の無条件解除権を認める条項がもりこまれ、AV禁止法制については今後の課題とされたものと理解しています。法案は、日本の法律で初めて「性行為映像制作物」を定義していますが、その内容は、性交映像ありきで、違法性が相当に疑われるAV業界の実態の追認になっています。「契約ルール」に則っていれば許されるというしくみになっていることは、見過ごせません。

 また、当事者や支援団体などからも「対価を伴い性交させるAV出演を合法化することになるのではないか」「経済的理由や自傷行為的に、AV出演を契約してしまった人は救えないのではないか」など懸念が出されてきました。当会の子育て中の会員からは「学校では性交などについての性教育をしっかり受けられていないのに、18歳になったとたん、AV契約についての危険にさらされることがなぜ許されるのか」、被害者の少女の声を聞いた会員からも「今回の法案で犠牲者が増えないようにしてほしい。解除についてもさかのぼって対象とし、1年という上限もなくしてほしい」などの切実な声が寄せられています。

 私たちは、ことさら性を強調し、もっぱら性欲を刺激し興奮させることを目的とした映像制作などの性の商品化は、ジェンダー平等に反すると考えており、性的搾取の実態調査と告発、世論形成に向けて力を尽くしていきます。        

 本法案が、さまざまな懸念の声を考慮し、性搾取の被害防止に実効性あるものとなるよう、参議院において修正が行われるよう以下、要望いたします。

 

1.「性行為映像制作物」について、「性行為」とは性交や類似行為などとしていますが、自民党骨子案段階と同様、「性的行為」映像とし、性交行為等に限定しないでください。

2.被害当事者や支援者から「演ずる」という文言にしてほしいとの要望に、「本番行為が対象とならないと読まれる」として「性行為に係る人の姿態」と修正し、“性行為そのものを合法化するものではなくなった”と説明されてきましたが、衆院法制局は、意味は変わらないと明言しています。「演ずる」として性交そのものが規制から除外されないようにすることは法技術的に可能であり、修正を求めます。

3.法案は、性行為の「強制」を認めないとしていますが、形式上「強制」されてなくても、支配関係のなかでセクシャルハラスメントや性暴力が起こっていることは判例でも認められています。事実上の強制も規制の対象とする文言にしてください。

4.「解除」についてさかのぼって対象とすること、公表1年以内という上限もなくしてください。

 

 あわせて、以下、今後の対策として要望いたします。

 

1.相談(カウンセリング含む総合的支援)について、政府、議員が責任をもって体制を強化し、スカウトのパトロールや、電話やラインなどでの相談の周知・広報を直ちに行ってください。

2.違法なAV撮影について、現行法でも対応可能です。にもかかわらず公序良俗違反で無効とされたことがないなど、行政・司法、立法府の責任が問われています。売春防止法の不備を含めて、性搾取やAV禁止規定等について超党派と市民、当事者、支援者、女性団体による検討会を至急開始してください。

 

 

 

 

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